連載16
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ザ・ライトスタッフオフィス「漢字研究会」

◆用例別に四文字熟語を読み解こう(2)

人々の行動をあらわす語

悪逆非道 人の道にはずれたひどい悪事を働くこと。=極悪非道(ごくあくひどう)。〈あくぎゃくひどう
異口同音 複数の人が同じことを言うこと。意見が一致すること。用例) 異口同音に賛成する。〈いくどうおん〉  
一意専心 ひたすらひとつのことに集中して、ほかのことに目も向けずに努力すること。=専心一意。〈いちいせんしん〉

一念発起 何かを成し遂げるために、それまでの行動や考えを改めようと固く心に誓うこと。用例) 一念発起して学問に励む。〈いちねんほっき
雲合霧集 雲や霧がわきたつように、大勢の人々が集まってくること。用例) 野次馬が雲合霧集する。〈うんごうむしゅう
雲散霧消 多くのものが集まったかと思うと、たちまちのうちにちりぢりになって消えうせてしまうこと。〈うんさんむしょう
横行闊歩 あたりかまわず、大いばりで歩き回ること。自由気ままに振舞うこと。用例) 盗人が横行闊歩する。〈おうこうかっぽ
拱手傍観 「拱手」は胸の前で両手を合わせておじきをする中国式の敬礼のこと。または、手を出しかねて何もせずにいることをいうが、拱手傍観は何もせずに傍らで眺めていることを意味する。=袖手傍観(しゅうしゅぼうかん)。〈きょうしゅぼうかん
虎視眈眈 虎が獲物をじっと狙うさまから、じっと機会をうかがうことを意味する。用例) 虎視眈眈とチャンスをうかがう。〈こしたんたん
三三五五 人々が三人、五人と行き交うようす。〈さんさんごご〉 
三拝九拝 何度も何度もお願いすること。〈さんぱいきゅうはい
自画自賛 自分で自分をほめること。〈じがじさん
自家撞着 自分の言動や文書が、前後で食い違うこと。自己矛盾におちいること。用例) 自家撞着におちいる。〈じかどうちゃく
実践躬行 人を当てにせず、自分自身で実行していくこと。〈じっせんきゅうこう
疾風怒涛 激しい雨と荒れ狂う海のように、すばやく猛烈な勢いを表現する語。用例) 疾風怒濤の勢い。〈しっぷうどとう〉 
縦横無尽 決まりもなく、自由自在なこと。用例) 縦横無尽の活躍。〈じゅうおうむじん
周章狼狽 あわてふためくさま。用例) 突然のことに周章狼狽する。〈しゅうしょうろうばい
終始一貫 最初から最後まで主張や行動が変わらないこと。用例) 彼女の主張は終始一貫している。〈しゅうしいっかん〉 
針小棒大 針のように小さいことを棒のように言うことから、ものごとを大げさに言うこと。用例) 針小棒大な話。〈しんしょうぼうだい〉 
責任転嫁 責任を人になすりつけること。用例) 他人に責任転嫁する。〈せきにんてんか
先客万来 ひきもきらず、多くの客がやってくるさま。〈せんかくばんらいせんきゃくばんらい
直情径行 感情のままに、思い通りに行動すること。用例) 直情径行の人。〈ちょくじょうけいこう
単刀直入 ひとりで敵地に乗り込むこと。あるいは前置きなしに本題に入ること。用例) 単刀直入に質問する。〈たんとうちょくにゅう
跳梁跋扈 「跳梁」は跳ね回ることから、転じて好ましくないものがのさばること、「跋扈」は魚がかごから飛び出し跳ね回ることをいうが、ふたつの語を重ねることで強調し、悪者が勢いをつけ、好き勝手にふるまうことを意味する。用例) 悪党一味が跳梁跋扈する。〈ちょうりょうばっこ
猪突猛進 イノシシのように、無鉄砲に突き進むこと。用例) 目的に向かって猪突猛進する。〈ちょとつもうしん
東奔西走 忙しく、あちこち走り回ること。〈とうほんせいそう
不言実行 ことばにせずとも実行すること。〈ふげんじっこう
平身低頭 ひれ伏し、頭を下げること。恐縮するさま。用例) 権力者の前に平身低頭する。〈へいしんていとう
臨機応変 その場その場に合わせて、きちんと対応していくこと。用例) 臨機応変に対処する。〈りんきおうへん
百発百中 狙いをすべて命中させること。計画などのすべてがうまくいくこと。〈ひゃっぱつひゃくちゅう
暴虎馮河 虎に素手で立ち向かい、河を徒歩で渡るということから、血気にはやるようすや、無謀な勇気を意味する。〈ぼうこひょうが
勇往邁進 勇んで突き進むこと。〈ゆうおうまいしん

人のおかれた状況をあらわす語

暗雲低迷
 雲がたれこめ、すぐにでも雨が降り出しそうなようす。転じて、危険が迫った情勢をいう。〈あんうんていめい
岡目八目 ものごとの当事者より、周囲で見ている者のほうが、事態がよくわかり、正しく判断できること。=傍目八目。〈おかめはちもく
一目瞭然 ひと目でよくわかること。用例) 私には一目瞭然だ。〈いちもくりょうぜん
衆人環視 みんなが見ていること。用例) 衆人環視の中で辱めを受ける。〈しゅうじんかんし
艱難辛苦 人生でぶつかる困難や苦労のこと。用例) 艱難辛苦を乗り越える。〈かんなんしんく
奇怪千万 不思議なこと、きっかいなこと。用例) 奇怪千万なできごとが続く。〈きかいせんばん〉 
危機一髪 ほんの髪の毛一本ほどのわずかな違いで、危険に陥るほどの危ない状況のこと。用例) 危機一髪で事故を免れる。〈ききいっぱつ
鬼哭啾啾 鬼哭は浮かばれない亡霊たちが泣くこと。それがしくしくと響くことから、亡霊のたたりで恐ろしい気配がただようほど、恐ろしい様子を意味する。用例) 鬼哭啾啾たる激戦のあと。〈きこくしゅうしゅう
起死回生 死にそうになっているところから、命を救うこと。用例) 起死回生のできごとが起きた。〈きしかいせい
空空寂寂 限りなく広いこと。とりとめがなく、とらえどころがないさま。〈くうくうじゃくじゃく
空前絶後 過去にも未来にも起こったことがないほどのすごいこと。用例) 空前絶後のできごとだ。〈くうぜんぜつご
効果覿面 効き目がたちどころに現れること。「覿面」は人の目のあたりを意味する。〈こうかてきめん
五里霧中 深い霧の中で方角がわからなくなるさまから、迷ってなかなかものごとが決められないことを意味する。〈ごりむちゅう
昨非今是 昨日はよくないと思ったことが今日はよく思えること。境遇によってものの見方が変わること。〈さくひこんぜ
四苦八苦 生・老・病・死の四苦に加え、愛別離苦(あいべつりく)、怨憎会苦(おんぞうえく)、求不得苦(ぐふとくく)、五陰盛苦(ごおんじようく)の四つを加えたもの。また、そこから、人がひどく苦しむさまを意味する。〈しくはっく
自己嫌悪 自分で自分の言動に嫌気がさすこと。用例) 自己嫌悪に襲われる。〈じこけんお
十中八九 十のうち八か九。つまり、大部分、大方の意味。用例) 十中八九まちがいない。〈じっちゅうはっくじゅっちゅうはっくじゅうちゅうはっく
衆人環視 多くの人が回りから見ている状態。用例) 衆人環視のなかで恥をかいた。〈しゅうじんかんし
主客転倒 主人と客の立場が入れ替わることから、ものの順番、重要度が入れ替わることを意味する。〈しゅかくてんとうしゅきゃくてんとう
笑止千万 非常におかしいこと。あるいは、非常に気の毒なこと。〈しょうしせんばん
正真正銘 間違いなく、本物であり、偽りのないこと。用例) 正真正銘のほんもの。〈しょうしんしょうめい

白川夜船 すっかり眠りこんでしまい、何も知らないこと。あるいは知ったかぶりをすること。〈しらかわよふね
◆一口知識
江戸時代も中頃になると、経済的に余裕のある人などを中心に、日本全国へ旅に出ることが流行するようになった。中でも、京都は人気の観光地だったが、あるお調子者は、人から聞いた話を、さも自分が行ってきたかのように 得意げに話していた。
「白川はどうだった?」
「夜船で寝て川を下ったのでわからない!」
しかし、そもそも白川はとても船で下ることのできない小さな川。それですっかり嘘がばれてしまったとか。

支離滅裂 てんでバラバラですじが通らないこと。用例) 彼の話は支離滅裂だ。〈しりめつれつ
人事不省 昏睡状態となり、意識を失うこと。用例) 人事不省におちいる。〈じんじふせい
尋常一様 ふつうとまったく変わらないこと。〈じんじょういちよう
進退両難 進むことも退くことも難しいこと。〈しんたいりょうなん
千辛万苦 いろいろな辛いことや苦労のこと。用例) 千辛万苦を乗り越え、成功する。〈せんしんばんく
前後不覚 前うしろがわからないほど正体がなくなること。〈ぜんごふかく
千編一律 すべてが同じ調子で変化に乏しいこと〈せんぺんいちりつ
千変万化 ものごとがさまざまな変化していくこと。〈せんぺんばんか
千万無量 数えきれないほど数が多いこと。はかりしれないこと。〈せんまんむりょう
大同小異 ほんの少しの違いしかなく、ほとんど同じで大差のないこと。〈だいどうしょうい
多事多端 仕事や事件が多く、忙しいさま。〈たじたたん
波乱万丈 さまざまな事件や現象が起きて、変化にとんださま。用例) 波乱万丈の人生を送る。〈はらんばんじょう
百尺竿頭 長い竿の先ということから、最後に到達する地点・段階のことをいう。〈ひゃくせきかんとう
不急不要 急がないでもいいこと。差し迫った状態ではないこと。〈ふきゅうふよう
文質彬彬 ものごとの外観と内容が調和していること。〈ぶんしつひんぴん
無二無三 ほかに類のないこと。一心不乱なようす。〈むにむざん
有名無実 評判ばかりで、実績・実質を伴わないこと。〈ゆうめいむじつ
竜頭蛇尾 最初こそ勢いがあるが、最後はしぼんでしまうこと。用例) 竜頭蛇尾に終わる。〈りゅうとうぶび

人の気持ちをあらわす語

遺憾千万
 思い通りいかず、このうえもなく残念なこと。〈いかんぜんばん
意気消沈 元気をなくして、意気があがらないこと。用例) 優勝を逃して意気消沈する。〈いきしょうちん

臥薪嘗胆 復讐を心に誓い、辛いことも苦労も乗り越えること。または、目的を達成するため、長い期間苦労を重ねること。用例) 臥薪嘗胆の思いを抱く。〈がしんしょうたん
◆一口知識
 呉の王である夫差(ふさ)は、父のかたきである越の王・勾践(こうせん)を討つために常に薪(たきぎ)の上に寝て、悔しさを忘れないようにしていた。また、その後、夫差に敗れた勾践は、いつか必ず夫差を打ち破って恥を注ごうと、苦い熊の肝を舐めては恥辱を忘れまいとしたという故事にちなむ語。

一喜一憂 いちいち喜んだり心配したりすること。用例) 小さなことに一喜一憂しても仕方がない。〈いっきいちゆう〉 
怨憎会苦 うらみ、憎んでいる相手に会わなければならないという苦しみ。仏教の八苦のひとつ。〈おんぞうえく
感慨無量 深く感動すること。用例) 感慨無量のできごと。〈かんがいむりょう
歓天喜地 天によろこび、知によろこぶ。非常に喜ぶさま。用例) 歓天喜地の大喝采を浴びる。〈かんてんきち
気宇壮大 心意気が大きく、大きな夢や希望を持っていること。用例) 気宇壮大な計画を練る。〈きうそうだい
疑心暗鬼 あれこれを疑うこと。用例) 疑心暗鬼におちいる。〈ぎしんあんき
喜怒哀楽 喜び、怒り、悲しみ、楽しみなどのさまざまな感情。用例) 彼女は喜怒哀楽が激しい。〈きどあいらく
欣喜雀躍 小躍りして喜ぶさま。〈きんきじゃくやく
緊褌一番 「緊褌」はふんどしをキリリと閉めること。発奮してものごとにあたること。用例) 緊褌一番、難題解決に挑む。〈きんこんいちばん
鼓腹撃壌 腹つづみを打ち、大地叩いて歌うほど、平和楽しむようす。〈こふくげきじょう
七転八倒 ひどく苦しんでのたうち回るさま。または、何度も転んでは立ち上がるさま。用例) 七転八倒の苦しみ。〈しちてんばっとう
櫛風沐雨 荘子の「風に髪をくしけずり、雨にゆあみする」ということばから生まれた語。風を櫛にし、雨で体を洗うということから、風雨にさらされて苦しい思いをすることを意味する。〈しっぷうもくう
心機一転 あるきっかけで、気持ちが新たになること。用例) 心機一転やり直す。〈しんきいってん
全身全霊 身も心もすべてをかけること。体と魂のすべて。用例) 全身全霊で取り組む。〈ぜんしんぜんれい
吃驚仰天 とても驚くさま。〈びっくりぎょうてん
悲憤慷慨 ひどく悲しみ憤ること。〈ひふんこうがい

不倶戴天 憎しみ、恨みが深く、報復せずにはいられない気持ち。用例) 不倶戴天の敵。〈ふぐたいてん
◆一口知識
 春秋戦国から秦・漢にかけて、いろいろな人があらわした雑多な礼に関する記録や論議をまとめたものが礼記(らいき)だが、「不倶戴天」という語は、礼記の中に出てくる「父の讐(あだ)は倶(とも)に天に戴(いただ)かず」という一節から生まれたものである。

判官贔屓 多くの民衆が源義経の境遇に同情したように、世間が弱者に対して同情することをいう。ちなみに、判官は検非違使(けびいし)の尉の位のことだが、義経がその位についていたから、義経のことを指すようになった。〈ほうがんびいきはんがんびいき
抱腹絶倒 腹を抱えて大笑いすること。もともとは「捧腹」の誤用が慣用的に使われるようになった語。用例) コントを見て抱腹絶倒する。〈ほうふくぜっとう
無味乾燥 まったくおもしろくないこと。用例) 無味乾燥な日々。〈むみかんそう
滅多無性 むやみやたらに。めちゃめちゃに。〈めったむしょう
欲求不満 欲求が満たされず、いらいらするさま。用例) 欲求不満のかたまり。〈よっきゅうふまん

人の性格をあらわす語

意馬心猿
 走り回るウマや騒ぎ立てるサルを抑えることができないように、人間の欲望や煩悩は抑えられないものだということ。〈いばしんえん

海千山千 社会の裏側を知り尽くしていて、世事にたけ、しぶとい人のこと。あるいは、ずるい人のことをいう。用例) あいつは海千山千で信用できない。〈うみせんやません
◆一口知識
海に千年、山に千年住んだ蛇は龍になるという言い伝えから生まれた語。

雲煙過眼 ものごとに執着しないこと。あるいは、わけがわからないまま見過ごしてしまうこと。〈うんえんかがん
得手勝手 わがままで自分勝手なこと。用例) あいつは得手勝手なやつだ。〈えてかって
外柔内剛 見た目はやさしく気持ちも優しそうだが、内面はしっかりしている人のこと。〈がいじゅうないごう
確固不抜 意志がしっかりしており、ものごとに動じないこと。用例) 彼はああ見えても確固不抜な性格だ。〈かっこふばつ
言行一致 言うこととすることが一致していること。〈げんこういっち
堅忍不抜 我慢強くこらえ、心を動かされないこと。用例) 堅忍不抜の精神。〈けんにんふばつ
公明正大 隠しごとがなく、公平で邪心がないこと。用例) 公明正大な生き方を貫く。〈こうめいせいだい
才気煥発 才能があふれ、頭の回転が速いこと。用例) 彼は才気煥発あふれる人材だ。〈さいきかんぱつ
質実剛健 華美に走らず、質素でまじめなようす。〈しつじつごうけん
杓子定規 杓子の柄は曲がっていることから、正しくない定規のこと。転じて、すべてを規則で縛りつけようとして、応用や融通がきかないことや人を意味する。用例) 杓子定規な人。〈しゃくしじょうぎ〉 
洒洒落落 ものにこだわらず、実にあっさりとしているさま。〈しゃしゃらくらく
人面獣心 姿こそ人間だが、心は獣のようなひどい人のこと。〈じんめんじゅうしん=にんめんじゅうしん
正正堂堂 正しくりっぱな態度。用例) 正正堂堂と生きる。〈せいせいどうどう
多情多恨 ものごとに感じやすく、すぐに人を恨むこと。〈たじょうたこん
天真爛漫 性格にかざりけがなく、素直なこと。用例) 天真爛漫な子だ。〈てんしんらんまん
薄志弱行 意思が弱く、実行力に欠けること。用例) 彼女はどうも意志薄弱だ。〈はくしじゃっこう
粉骨砕身 骨を粉にし、身を砕くほど、力の限りの努力すること。用例) 粉骨砕身、地方医療に尽くす。〈ふんこつさいしん
法界悋気 「法界」には、縁故の有無にとらわれず他人を平等に扱うという意味と、無縁の他人を意味する使い方があるが、ここでは後者の意味。自分とはまったく関係ないことを恨んだり、憎んだりすること、あるいは自分と直接関係ない人やできごとに嫉妬することをいう。〈ほうかいりんき
無我夢中 何かに心を奪われ、我を忘れること。〈むがむちゅう

唯我独尊 世の中で自分だけが優れていること、あるいは正しいこと。〈ゆいがどくそん
◆一口知識
お釈迦さまが誕生したとき「天上天下唯我独尊」と言ったという逸話から生まれた語で、「この世で一番偉くて尊いものは、自分ひとりである」というような意味に使われている。しかし、仏教の教えでは、この「我」というのは、決して釈尊だけのことを指したものではなく、人間一人ひとりのことだという。つまり、人間誰しも釈尊と同じように、「天上天下唯我独尊」だというわけだ。また、「独尊」とはたったひとつの尊い使命ということで、決して自分ひとりが偉いという意味ではなく、「我々人間には、天上天下広しといえどもたったひとつしかない聖なる使命を果たすべく、この世へ生まれて来たのだ」ということを説いているのだ。

粒粒辛苦 米粒の一つひとつに作った人の苦労が込められていることから、こつこつと努力を続けることを意味する。〈りゅうりゅうしんく