連載20
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ザ・ライトスタッフオフィス「漢字研究会」

◆結構、誤用していることわざ・名言・慣用句 あいうえお順(1)


東男に京女
「東男」は江戸生まれの男のこと。気っぷがよくて、男らしいとされている。一方の「京女」は京都生まれの女性で、雅やかで美しいとされている。男はたくましい東国の男がよく、女はやさしい京都の女がいいという。もっともいまでは、男女とも、そんなタイプは激減してしまったようだが……。
あずまおとこにきょうおんな

羹に懲りて膾を吹く
 羹は野菜や魚などを入れてつくる吸い物のこと。膾は野菜や魚などを細かく切って、酢にひたした食べ物。熱い羹に懲りて、冷たい膾までふうふう吹き冷まして食べることから、一度の失敗に懲りて、度の過ぎた用心をすることをいう。
あつものにこりてなますをふく

虻蜂取らず
 虻と蜂の両方を捕らえようとしてどちらも捕れなかったということから、あまり欲張ると、結局、両方とも手にいれられないことをいう。
誤用例「危ないものには手を出さない賢明なこと」と誤用しているケースが見られる。「あぶはち」とは「危ない蜂」という意味ではない。
あぶはちとらず

命あっての物種
 何ごとも命があってのうえのことである。命はかけがえのない、一番大事な物だという意味。
いのちあってのものだね

井の中の蛙大海を知らず
 狭い知識や見解にとらわれて、他に広い世界があることを知らないで、得々と振る舞っている者をいう。ずっと井戸の中で生きているために、外を知らない蛙にたとえた言葉。
いのなかのかわずたいかいをしらず

魚心あれば水心
 魚に水と親しむ心があれば、水もそれに応じる心を持つという意味。相手が自分に対して好意を持てば、自分も相手に好意を持つ気があるということ。
うおごころあればみずごころ

氏より育ち
 人間を作り上げるには、家柄や身分の良さではなく、環境や教育が大切であるということ。
誤用例「名前は大切だから姓名判断してもらったほうがいいよ。『氏より育ち』というだろう。名前によって人は育つのさ。」 「より」を「よって」と、誤解しないように。
うじよりそだち

後ろ千両前一文
 後ろ姿はとても美しく心をひかれるが、前から見た顔だちはたいしたことはないということ。
うしろせんりょうまえいちもん

独活の大木
「独活」とは、植物の「ウド」のこと。ウドの茎は、地上に出る前の若芽の時は食用とされるが、大きくなると食用ではなくなる。さらに大きい割には、柔らかくて弱いので、建築用材などにも使えない。このようなウドを人間に喩え、役立ずな者を意味する。
うどのたいぼく

役夫の夢
 人生の栄華は夢のようにはかないものというたとえ。転じて、欲求不満を夢で補うこと。周の尹氏の家の激務に耐えている年老いた使用人が、その辛さを尋ねられて、「人生の昼と夜は半分ずつだ。昼は使用人としてこき使われてはいるが、夜の夢の中では国王でとても楽しい。だから恨みに思う事はない」(列子)という故事から生まれたことば。
えきふのゆめ

起きて半畳寝て一畳
 どんなに立派な御殿に住んでも、人ひとりが占めるのは起きているときで半畳、寝ているときで一畳にすぎないことから、やたらと富貴を望まず、満足をすることが大切だということを教えている。
おきてはんじょうねていちじょう

鬼の霍乱
 普段とても丈夫な人が珍しく病気に罹ること。鬼は体が強く、病気などには無縁なものと考えられていることからたとえられる。「霍乱」とは昔の人が使った病名で、日射病のような、夏に起きやすい、激しい吐き気・下痢などを伴う急性の病気のこと。
誤用例「鬼のように厳しくて怖い部長が今日は病気で休みか。『鬼も霍乱』だな」 鬼とは「丈夫」「健康」という意味で使われるのが正しいのであって「怖い」という意味ではない。
おにのかくらん

帯に短し襷に長し
 帯にするには短いし、襷にするには長すぎる……つまり中途半端で、何の役にも立たないことをいう。
おびにみじかしたすきにながし

親の因果が子に報ゆ
 親の犯した悪い行いが原因で、なんの罪もない子供がその報いを受けて不幸になること。悪行をおこなった親に対する批難と、罪がないのに不幸にあっている子どもに対する同情、さらに因果に対する恐ろしさの三つがこめられている。
おやのいんががこにむくゆ

親の心子知らず
 とにかく親は子どものことを思っている。しかし、子どもはそうした親の意図を知らないで、親にさからったり、勝手気ままにふるまったりする。その様をいう。用例「家出して、連絡しないなんて『親の心子知らず』とは君のことをいうのだ」
誤用例 「オレの親は何を考えているかはわからない。『親の心子知らず』だよな」と使う人がいるが、そもそも子どもを思う親の気持ちがわからないときに使うのであって、単に親の考えていることがわからないときに使うのではない。
おやのこころこしらず

親はなくとも子は育つ
 子育てには親が必要だと考えられているが、現実には親がいなくても、子供はどうにか育って一人前になっていくということ。用例「彼は立派だ。両親を失っても社会人として一人前になった『親はなくとも子は育つ』とはこのことだ」 
誤用例「親に苦労かけたな。いつも泣いていたよ。だけどオレは一人前になった。『親はなくとも子は育つ』だな」と、親が泣くほど苦労したとしても子どもはきちんと育つという意味で使う人がある。「なく」は「泣く」ではない。
おやはなくともこはそだつ

及ばぬ鯉の滝登り
 滝をのぼるのは鯉にとって容易なことではない。いくら努力しても、自分の目的を達する見込みがないことをたとえていう。また、「鯉」に「恋」をかけて、かなう望みのない愛のことをいうこともある。
およばぬこいのたきのぼり

女三人寄れば姦しい
 とかく女はおしゃべりだから、三人も寄り集まると「姦」の字が示すようにやかましくなる。
おんなさんにんよればかしましい

女三界に家なし
 女は、生まれて嫁ぐまでは父親に、嫁いでからは夫に、出産してからは子どもに従うものなので、この世に自分の家など存在しないという意味。三界とは仏教用語で全世界のこと。用例「この時代に『女三界に家なし』なんて言うなんて、まったくひどい話ね」 
誤用例「一人暮らしの女性は、アパートやマンションを借りるときには三階を選んではいけない。昔から『女三階に家なし』というだろう」言うまでもなく、「さんがい」は三界であって三階ではない。
おんなさんがいにいえなし

恩を仇で返す
 受けた恩に対して、恩で報いることをしないで、却って相手に害を与えるようなことをすること。
おんをあだでかえす


飼い犬に手を噛まれる
 あれこれと面倒をみてあげた人から、かえって害を受けたり、裏切られたりすること。
かいいぬにてをかまれる

蛙の面に水
 蛙は顔に水をかけられても平気なように、他人から、どんなことをされても、どんなことを言われても平気でいること。「蛙の面に小便」とも言う。用例「彼はすごい。『蛙の面に水』と言うが、みんなにののしられても、まったく平気だ」 
誤用例「不細工な顔にドロがついてしまった。これでは『蛙の面に水』だな」と、醜いものにさらに汚れが付くことを意味すると思い違いしている人も少なくないようだ。
かえるのつらにみず

餓鬼の断食
 断食をしようと思わなくても、すでに餓鬼は断食の状態であることから、当然のことなのに、特別なことをしているかのようにつくろうことをたとえていう。類語「乞食の断食」
がきのだんじき

稼ぎ男に繰り女
 男が外に出て稼ぎ、女が家にいて(内職などもして)やりくりするという夫婦が理想的で、男に充分な仕事と稼ぎがあれば、女は外に働きに出なくともいいという意味。
誤用例「『稼ぎ男に繰り女』と言って、お金をよく稼ぐ男の影には、必ずといって男を操る女がいるものさ」。繰り女とは、男を操るという意味ではない。
かせぎおとこにくりおんな

河童の寒稽古
 河童は裸でも寒さを感じないといわれている。他の人には辛そうに見えても、その実本人は何も感じていないときにたとえられる。
かっぱのかんげいこ

河童の川流れ
 得意な事なのに、油断して失敗してしまう事こと。類語「弘法も筆の誤り」「猿も木から落ちる」「上手の手から水が漏る」 
誤用例河童が川の流れにのって楽しげに遊んでいる様子だと勘違いしている人がいるが、「河童の川流れ」とは、河童が川を上手に、または楽しそうに泳いでいる様子ではない。
かっぱのかわながれ

蟹は甲羅に似せて穴を掘る
 蟹が自分の甲羅の大きさに合った穴を掘るのと同様に、人はそれぞれの立場や力量に応じて言動をとるたとえ。
かにはこうらににせてあなをほる

壁に耳あり障子に目あり
 どこで誰が聞いているか、見ているかわからないので、内緒話は漏れやすいということ。
かべにみみありしょうじにめあり

果報は寝て待て
 やるだけのことをやったら、あせらず気長に幸運がこちらに来るのを静かに待つことをいう。果報は幸福・幸運の意味。類語「待てば海路の日和あり」 
誤用例「物の価値を上がるのを待って売りに出そう。『家宝は寝て待て』だ」 果報と家宝の勘違いからきた誤用。
かほうはねてまて

亀の甲より年の功[=劫]
「甲(こう)」を同音の「劫」にかけて言った言葉だが、「劫」は極めて長い時間のことを意味する。人間にとって大切なことは年劫を経ること。年寄りの意見を尊重すべきとの意味。用例「やはり『亀の甲より年の功』だ。あの年寄りは実に参考になる意見を言う」 
誤用例「あの爺さんは頑固すぎる。『亀の甲より年の功』とは言うけれど……」 年寄りの頑固さが亀の甲羅より強固という意味ではない。
かめのこうよりとしのこう

可愛さ余って憎さ百倍
 可愛いと思う心が強いほど、いったん憎いと思ったら、その憎しみの気持ちが一段と強くなること。
かわいさあまってにくさひゃくばい

勘定合って銭足らず
 計算は合っているが現金が足らない。理論と実際とが食い違うことのたとえ。
かんじょうあってぜにたらず

聞いて極楽見て地獄
話に聞いたのと、実際に見たのでは、雲泥の差があること。聞いた話より現実のほうが、ずいぶん状況が悪いこと。類語「聞いて千金見て一文」「見ての極楽住んでの地獄」「見ぬが花開かぬが花」
きいてごくらくみてじごく

雉子も鳴かずば打たれまい
 雉子も藪に隠れたままで、鳴き声を立てなければ、そこにいることがわからず、射られることもないのに、鳴いたばかりに人に知られて射られてしまう。つまり、黙っていたり、何もしないでいれば、何のこともなかったのに、人の目につくような言動をしたために、わざわいを受けてしまった、というときに用いられる表現。類語「鳴く虫は捕らえられる」
きじもなかずばうたれまい

杵を磨きて針と作す
 根気よく学問や仕事に励むこと。杵を磨いて、すり減らし、ついには針にするには、根気強く励むことが必要なことからたとえられる。杵とは臼(うす)に入れた穀物などをつくための道具(木製が中心だがここでは鉄の杵)で、脱穀や餅つきなどに用いる。
きねをみがきてはりとなす

腐っても鯛
色彩や味が良く、魚類の主といわれるタイは、少々いたんでもある程度の値打ちがあるように、良いものは、少しばかり悪くなってもその価値を失わないということ。用例「彼も四〇歳になり、多少老いたが、さすが元日本代表選手だ。決めるときは決めてくれる。『腐っても鯛』なのだ」 
誤用例「私に力は残っていないが、社長という地位を渡したくない。『腐っても鯛』でいたいのだ」 値打ちがあってこその「鯛」であり、実力がなくなった、見栄えや地位、名誉だけあるモノや人物のことを言うのではない。
くさってもたい

口八丁手八丁
しゃべることも、することも、抜け目がなく、とても上手なこと。八丁は巧みという意味。
誤用例「あいつは口が軽いなぁ。本当に『口八丁手八丁』だ」 べらべらとおしゃべりである状態を指すのではない。話術が巧みなことをいう。
くちはっちょうてはっちょう

傾城の美女
美人のこと。為政者が女色に溺れて、城を顧みなくなり、滅ぼすということから生まれたことば。用例「社長が美しい女性社員に溺れて、経営が行き詰まってしまった。まったく彼女は『傾城の美女』だ」
誤用例「彼女は美しい女性だが、経営している会社が行き詰まっているようだ。まさに『傾城の美女』だな」 美しい女性が「傾城」の原因をつくるのであって、彼女自身の状況が危機的であるわけではない。
けいせいのびじょ

蛍雪の功
蛍の光や窓の雪を明かりとして勉強するほどの苦学をした成果のこと。類語「蛍雪」 用例「蛍雪の功、年つもりて碩学の聞へありけり」(米沢本沙石集-一・八)
けいせつのこう

桂馬の高上がり
人間は身分不相応な地位についたり、軽はずみな行動をとると、失敗することが多いということ。将棋の駒・桂馬の動きからきた言葉。「桂馬の高跳び歩の餌食」ともいう。
けいまのたかあがり

怪我の功名
何気なくおこなったこと。または、失敗したと思ったことが、かえって良い結果につながること。
けがのこうみょう

虎穴に入らずんば虎子を得ず
虎の穴に入らなければ、虎の子を生捕りにすることはできないということから、危険をやるような勇気がなければ、大きな成功は望めないという意。類語「当って砕けろ」「あぶない所に上らねば熟柿は食えぬ」「一か八か」
こけつにいらずんばこじをえず

涸沢の蛇
相手をうまく惑わせて両方ともども利を得ること。水がなくなった沢の大蛇と小蛇が、水がある沢に移ろうとするとき、人に殺されぬように、大蛇が小蛇を背負って神様の蛇だと思わせたが、案の定、人々はこれを神わざと思って殺さずに避けたという故事から生まれたことば。
こたくのへび

子は夫婦の仲の鎹
 夫婦の中に子どもが生まれると、夫婦の間はいよいよ緊密なものとなり、子を中心にしてあたたかい家庭がつくられていくということ。
誤用例「子どもは“かけがい”のないものだ。子は夫婦の中かけがいだ」 意味は近いが、「かすがい」を「かけがい」と混合しないこと。
こはふうふのなかのかすがい

ごまめの歯軋り
 力のない者がいたずらに対して、悔しがったり、怒ったりすること。自分の力不足を棚に上げて怒っている相手に使う。
ごまめのはぎしり

転ばぬ先の杖
転ばないように、前もって杖をついて用心することから、失敗しないように前もって、準備しておくことをいう。類語「暮れぬ先の提燈」「後悔先に立たず」「念には念を入れる」
〈ころばぬさきのつえ〉

紺屋の明後日
紺屋に注文した染め物のできあがり期日は、とかく延びがちだということ。約束というものは、あてにならないものだということのたとえ。
誤用例「世の中先のことは分からない。『荒野の明後日』といういうように荒れた一日になるかもれない」 「こうや」違い。
こうやのあさって

紺屋の白袴
他のことばかり気にかけている割には自分のことに無頓着なこと。または人柄に似つかわしくないこと。 「紺屋」とは「染め物屋」のこと。「染め物屋の人が染め物の袴を穿かずに、白い袴を穿いている」という妙な風情のたとえ。類語「髪結い髪結わず」「医者の不養生」
こうやのしろばかま



塞翁が馬
人生の幸せや不幸せは、定まっておらず、予想がつかないこと。昔、辺境の塞近くに住む翁(男の老人)の馬が逃げてしまい人々が悲しがったところ、翁は「これが良い事になるかもしれない」と言い、後日その馬が駿馬を連れて帰ったので人々が喜ぶと、翁は「なにか悪い事が起こるかもしれない」と言った。そして、事実、不幸なことに翁の息子が落馬し足が悪くなってしまった。しかし、翁は「また何か良い事があるかもしれない」と言った。すると今度は戦争が起こり、健康な若者はみな兵士へと連れて行かれたが翁の息子は足の悪いことが幸いして徴兵を免れたという故事から生まれたことば。
さいおうがうま

猿も木から落ちる
得意なことなのに、つい油断して失敗してしまうこと。また、名人や達人も、時には失敗することのたとえ。類語「弘法も筆の誤り 」「河童の川流れ」「孔子の倒れ」
誤用例「先輩がこんな簡単なミスをするとは、まったく『猿も木から落ちる』ですね」 ただし、上司など、目上の人に「猿」という表現を使うのは避けたほうが無難。
さるもきからおちる

三十の尻括り
「尻括り」とは、尻から抜け落ちないように括ること。つまり自分にしまりをつけることである。子どもの頃はどんなだらしない人でも三十にもなれば多少は締まりが出てきて分別がつき、堅実な生活をしようとするということ。
さんじゅうのしりくくり

三人寄れば文殊の知恵
平凡な人でも、三人集まればすぐれた考えが浮かぶということ。「文殊」は知恵をつかさどる文殊菩薩のことをいう。類語「三人寄れば師匠の出来」「三人にして迷うことなし」
さんにんよればもんじゅのちえ

地獄の沙汰も金次第
地獄でも金さえあれば便宜をはかってくれるということ。金の力が絶大であるということのたとえ。類語「現世も来世も金次第」「冥途の道も金次第」
じごくのさたもかねしだい

地震雷火事親父
この世の中でおそろしいものを、順序をつけて言ったもの。「親父」とは一家の長で、封建的な家族制度のもとでは、絶対的な権力が与えられ、おそれられていた。いまや、その面影さえなくなってしまったが……。
じしんかみなりかじおやじ

釈迦に説法
お釈迦様に仏教の教えを説いて聞かせるように、相手のほうがよく知っているのだから、今さら言う必要がないこと。
誤用例「彼に落語をさせたら右に出るものはいない。まさに『釈迦に説法』だ」 何かを得意としていることを指すのではない。釈迦が説法をするのではなく、釈迦に説法をする愚かさを言っているので要注意。
しゃかにせっぽう

死んだ子の歳を数える
死んでしまった子が、今生きていれば何歳になっているかと考えてみたところで、今となってはしかたがない。過ぎ去ってしまい、取り返しがつかなくなったことをあれこれと悔やむことのたとえ。
しんだこのとしをかぞえる

好きこそものの上手なれ
 何事によらず、好きならばそれを熱心にやるから、上達するということ。
すきこそもののじょうずなれ

雀百まで踊り忘れず
雀は死ぬまで飛びはねる習性を忘れないが、人間も若い頃に身についた習慣は、年をとってもなおらないということ。「百」とは〝死ぬ年〟という意味。類語「頭禿げても浮気はやまぬ」 「三つ子の魂百まで」 用例「僕は恥ずかしいときに頭を掻く癖が直らないなぁ。『雀百まで踊り忘れず』と言うけど」
誤用例「おばあちゃんは、祭りで踊るのが本当に好きね。『雀百まで踊り忘れず』だわ」と、踊ることが好きなことや、上手であることを指す意味で使う人がいるが、それは間違い。
すずめひゃくまでおどりわすれず

すまじきものは宮仕え
他人に仕えたり、人に使われる身というものは、人の機嫌をとり、自由を拘束され、何かと気苦労が多いものだから、やるべきではないということ。「宮仕」の「宮」はもと「御屋」の義で、広く貴人の邸を指した語で、「宮仕」は広く貴人の邸に奉公することを意味している。
すさまじきものはみやづかえ

住めば都
 どんな土地でも、慣れると住み心地のよい都のような気がしてくること。また、住む前は暮らしにくいと思われていた土地でも、住み慣れてしまえばよいところだと思えてくるということ。類語「地獄も住処」「住めば田舎も名所」
すめばみやこ

背に腹は替えられぬ
 同じ身体の一部でも背に腹をかえることはできない。大切なことのためには、他のことを顧みる余裕などないということ。差し迫った大きな苦痛を避けるためには、小さな苦痛や多少の犠牲は止むを得ない。類語「背より腹」「苦しいときは鼻をも削ぐ」
せにはらはかえられぬ

船頭多くして船山に上る
 物事を進めるときに、指図をする人が多すぎると、かえって統一がとれず、目的とは違った意外な方向にそれてしまうこと。
誤用例「船頭多くして船山の上る」というけど、みんなで協力してこそ、ものごとは成功するんだよね」 たくさんの船頭が協力して、船を山の上に上げるという意味に誤解している例。
せんどうおおくしてふねやまにのぼる

総領の甚六
 最初に産まれた子は、他の兄弟にくらべて大らかで、ぼんやりしているということ。総領とは一家の長男のこと。封建時代では、長男は親にも一目をおかれていたが、大事にされすぎて、甘やかされていた。
そうりょうのじんろく

袖振り合うも他生の縁
 まったく見知らぬ人と袖を触れ合うのも、何かの縁であるということ。また、ふとした出来事もすべて前世の因縁で決められているという意味もある。他生(多生)は前世の意味。同意語「袖振り合うも他生の縁」 類語「合縁奇縁」「一村雨の雨やどり」 用例「『袖振り合うも他生の縁』と言うじゃないか。ここで出会ったのも何かの縁。ともに協力しよう」
誤用例「ここで出会ったのも多少は縁があるということかな。『袖振り合うも多少の縁』と言うことだし」 他生と多少を混合したことで生じた誤用例。
そですりあうもたしょうのえん